1)武道整体とは

戦後、日本武術医学の創始者・中山 清先生が、古来から柔術などに伝承されていた伝統医学の失伝を懸念し、失伝寸前であった数派の柔術の整骨術や整体術などを「武道医学」の一部として「武道整体」とまとめたものである。

※武道整体の内容

1. 整筋法(理筋法)
身体各筋肉,靭帯,筋膜の調整法(東洋医学的調整・現代医学の解剖学的)

2. 整椎・整骨法
頭部・顔面と脊柱の各椎骨の指標(観相法・触診法)と矯正法

3. 整肢法
四肢各関節の調整法

4. 腹診・復調法
内臓器官の指標と調整法

5. 整足法
足裏の操作法
他に,整気法,整念法等からなります。

2)整体とは

整体という言葉は,体の「骨格を整える」術のことです。その原理に基づいて,薬や器具類などを,
一切使わず,手及び全身を活用し骨格調整によって体の歪みを調整し,施術を行います。

疾患の根本的原因を除去し,構造的調整を終えたあとは,生理的調整,経絡経穴およびその他の運動点などに対する適当な刺激操作を与えることによって,身体の正しい姿勢や骨格構造機能を,正常な生理状態に保持させ,人体の恒常性を呼び起こし,自生力と自然治癒力を高め,健康管理および予防目的として行う健康法(自然療法)手技療法です。

①恒常性緊張感の持続などによって,心拍数・血圧等の急激な上昇により人体の危険を察知し安定の状態へ持っていこうと働きかける体内の調整機能のことです。

②自然治癒力病気や負傷した際,体内には病気と戦おうとする力があります。それは原因(細菌など)を克服・治癒させようという力です。

③自生力武道医学では,体内の自然治癒力の活動を助けようとする不思議な力を指します。小宇宙である人間は,大宇宙の無限の力の恵みを受けたもので,体内に何らかの異変が起こったり意識不明に陥ったとき『生きようとする力』が最大限に達したとき異変に打ち勝ちます。
この生きようとする力,体内の自然治癒力を助けようとする力をいいます。

④回復力自然治癒力と自生力および恒常性という機能が正常に働くことによって健康状態が一定の正常な状態に保たされていく力です。